こんにちは!現役看護師の私が、看護学生のみなさんに向けて、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションについてお話しします。看護の現場で、患者さんや家族としっかり信頼関係を築くことはとても大切です。
でも、初めて接する患者さんや家族とどう話せばいいのか、悩むことも多いですよね?そこで今回は、私の経験を交えながら、実践的なコミュニケーションの工夫や心構えをお伝えします!
1. なぜコミュニケーションが大切なのか
1-1. 患者さんの安心感につながる
患者さんは、病気や入院生活に対して不安や緊張を抱えています。看護師が優しく声をかけたり、分かりやすく説明するだけで、患者さんの気持ちがぐっと軽くなることがあります。たとえば、ある患者さんが「入院したばかりで何をすればいいかわからない」と不安そうだったとき、私は笑顔で「何かわからないことがあれば何でも聞いてくださいね」と声をかけました。その後、患者さんは落ち着きを取り戻し、「おかげで安心できた」とおっしゃってくださいました。このように、ちょっとした声かけが患者さんの安心感につながるのです。
1-2. 家族のサポートが治療を後押しする
家族は患者さんにとって重要な存在です。家族が患者さんを励ましたり支えたりすることで、治療やリハビリに前向きに取り組めるケースは少なくありません。ただし、家族自身が不安や疑問を抱えていると、十分なサポートができなくなることもあります。家族への適切なコミュニケーションを通じて、安心感を与えることが看護師としての大切な役割です。
1-3. 看護の質が向上する
患者さんや家族とのコミュニケーションを通じて、病気や生活状況、価値観などを深く理解することができます。それが、より個別化された看護ケアにつながります。たとえば、患者さんが普段どのような生活を送っていたか、どんなことに価値を感じているかを知ることで、その人らしいケアが提供できるようになります。
2. 患者さんとのコミュニケーションの工夫
2-1. 初対面の患者さんには「笑顔」と「挨拶」を
初めての患者さんに接するときは、笑顔で明るく挨拶することが基本です。たとえば、
「おはようございます!〇〇看護学校から実習に来ました〇〇です。今日1日よろしくお願いします。」
と自己紹介することで、患者さんも安心感を持ちやすくなります。特に高齢の患者さんには、少しゆっくりと話すことで聞き取りやすくなります。
2-2. 患者さんの話を「聴く」ことを意識する
患者さんの話を聞くときは、ただ耳を傾けるだけでなく、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
- うなずきや「ああ、そうなんですね」といった相づちを入れる
- 相手が話しやすい沈黙を作る
- 目を見て、体を少し患者さんのほうに向ける
これらを意識するだけで、患者さんは「この人はちゃんと話を聞いてくれる」と感じてくれます。また、相手の表情や言葉の裏に隠れた感情を読み取る努力も必要です。
2-3. 分かりやすい言葉で話す
医療の専門用語を使いすぎると、患者さんが混乱してしまいます。例えば、
- 「血糖値が高いので注意が必要です」→「血液中の糖の値が高いので、食事に気をつけましょう」
さらに、「食事に気をつける」と言われても具体的に何をすればいいのかわからない患者さんも多いです。「例えば、お菓子の量を少し減らしてみましょう」といった形で、具体的な提案をすると理解が深まります。
2-4. 患者さんの個性を尊重する
患者さんそれぞれに性格や価値観があります。たとえば、おしゃべりが好きな患者さんには話をたくさん聞いてあげたり、静かにしていたい患者さんには必要以上に話しかけないなど、相手のペースに合わせることが大切です。また、趣味や好きなことについて話題を振ると、会話がスムーズになります。
3. 家族とのコミュニケーションの工夫
3-1. 家族の不安を理解する
家族は患者さんを心配している反面、自分自身も「どう接したらいいのか」「何をすればいいのか」と悩んでいることが多いです。たとえば、手術を控えた患者さんのご家族に、「不安なことがあれば何でも聞いてください」と声をかけたところ、手術後のケアについて具体的な質問を受けました。このように、家族が抱える不安を受け止め、適切なアドバイスをすることが重要です。
3-2. 丁寧に情報を共有する
家族が知りたいのは、患者さんの状態や今後の見通しです。看護師として伝えられる範囲で、簡潔かつ分かりやすく説明しましょう。また、「分からないことがあれば、いつでも聞いてくださいね」と伝えると、家族は安心します。
3-3. 家族にも感謝の気持ちを伝える
「いつも支えてくださってありがとうございます」など、家族のサポートに対する感謝の言葉を伝えると、関係がより良くなります。家族も「自分たちの努力をわかってくれている」と感じ、看護師への信頼が深まります。
4. 実習中に使える具体的なコミュニケーション例
4-1. 患者さんへの声かけ例
- 朝の挨拶:「おはようございます!昨夜はよく眠れましたか?」
- ケア中:「痛みはありませんか?気になることがあったら教えてくださいね。」
- 別れ際:「今日1日ありがとうございました。明日もよろしくお願いします!」
4-2. 家族への声かけ例
- 説明時:「患者さんの今日の状態ですが、体温は安定しており、元気に過ごされています。」
- 不安そうな家族に:「お困りのことや心配なことがあれば、遠慮なく教えてくださいね。」
5. 実習中に意識しておくべきこと
5-1. 言葉以外の「態度」に気をつける
患者さんや家族は、看護師の表情や態度をよく見ています。忙しいときでも、「急いでいる」「疲れている」といった態度を見せないようにしましょう。
5-2. チーム内のコミュニケーションも大切
患者さんや家族に対応する際には、先輩看護師や指導者と情報を共有することが重要です。一人で抱え込まず、必ず報告や相談を行いましょう。
5-3. 自分を追い込みすぎない
実習中は「うまく話さなきゃ」と思ってしまいがちですが、完璧を目指す必要はありません。むしろ、「一生懸命患者さんや家族と向き合おうとする姿勢」が評価されます。
6. 実習を通じて得られるもの
患者さんや家族と接する中で、信頼を得られたときの喜びは、何物にも代えがたい経験になります。また、コミュニケーションスキルは、これからの看護師人生を支える大きな財産になります。
まとめ:コミュニケーションは練習と工夫で上達する
患者さんや家族とのコミュニケーションは最初は難しいと感じるかもしれませんが、練習することで必ず上達します。大切なのは、相手を思いやる気持ちと、自分から歩み寄る姿勢です。
看護学生のみなさんが実習を通じて、多くの学びと成長を得られることを心から願っています!一緒に頑張りましょう!
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