こんにちは!救急看護師のうみです。この記事にたどり着いたあなたは、きっと新人看護師として日々多忙な業務に奮闘している最中でしょう。覚えることが山ほどある中で、「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」という言葉を、上司や先輩から耳にタコができるほど聞いているかもしれません。
「そんなに言われなくても、ちゃんとやってるつもり…」 「そもそも、どこまでが“報告”で、何が“相談”なの?」 そんな疑問やモヤモヤを抱えている方に向けて、今回はホウレンソウの基本から、実際の現場でどのように活用していくべきか、その必要性とともにじっくり解説していきます。
1. ホウレンソウってなに?それぞれの意味をおさらい
まずは基本から確認しましょう。
- 報告:自分の行った業務やその結果、出来事について上司や関係者に知らせること。
- 連絡:情報や予定、変更点などを関係者間で共有すること。
- 相談:判断に迷うことや、自分では解決できないことを上司や先輩に助言・指導してもらうこと。
この3つは、一言でいえば「職場内の円滑なコミュニケーションを保つための基本」です。特に医療の現場では、情報の伝達ミスが患者さんの安全に直結する可能性があるため、ホウレンソウは“命を守るツール”といっても過言ではありません。
2. なぜ新人看護師にとってホウレンソウが重要なのか?
■ ミスの予防と早期対応ができる
新人のうちはどうしても知識や経験が足りないため、判断に迷う場面が多くあります。そんな時に「相談」をせず、自分の判断で進めてしまうと、後で取り返しのつかないミスにつながる可能性があります。
例:
夜勤中、患者さんの血圧がいつもより高い。本人は落ち着いているが、このまま様子見でいいのか?
→ 判断に迷ったら必ず先輩に「相談」しましょう。
些細なことと思っても、報告・相談することで、問題が大きくなる前に対応できます。
■ 信頼関係の構築につながる
先輩看護師や上司は、新人の行動や態度から“信頼できるかどうか”を見ています。報告・連絡・相談を怠らず、こまめにコミュニケーションを取ることで、「この子はちゃんとしているな」と信頼を得られます。
逆に、「何も言わない」「勝手に進めている」ように見えてしまうと、不安や不信感を抱かせる原因にもなってしまいます。
■ チーム医療の一員としての自覚が持てる
看護は一人で完結する仕事ではありません。医師、リハビリスタッフ、薬剤師、栄養士など、多職種と連携して患者さんを支えていくのが医療現場です。
その中で自分の持っている情報や気づきを「報告」「連絡」することは、チーム全体の力を高めることにもつながります。
3. よくある「ホウレンソウできない」理由と対策
新人さんの中には、ホウレンソウの大切さは理解していても「できない」「しづらい」と感じている方も多いはず。ここでは、よくある理由とその対処法をご紹介します。
■ 「忙しそうで声をかけづらい…」
たしかに、先輩看護師は常に忙しそうに見えますよね。でも、あなたの報告や相談が後回しになって大きなミスになるくらいなら、少し強引でも声をかける勇気を持ちましょう。
対処法:
「お忙しいところすみません、〇〇について確認させていただきたいことがあって…」
というように、前置きを添えて声をかけるとスムーズです。
■ 「こんなこと、聞いたら怒られないかな?」
「こんなことも分からないの?」と思われるのが怖くて聞けない…そんな気持ち、よく分かります。でも、それを理由に聞かずに行動して間違える方が、怒られるどころか危険です。
対処法:
「念のため確認させていただきたいのですが…」という言い回しを使うと、丁寧かつ自然に聞けます。
4. 実践で使える!ホウレンソウのコツと具体例
■ 報告は「結論から」「5W1H」を意識
忙しい現場では、ダラダラした報告は逆に混乱を招きます。簡潔に、結論から伝えるようにしましょう。
例:
「〇〇号室の田中さんですが、13時頃から腹痛を訴えていて、バイタルは正常ですが、やや顔色が悪いです。現時点では軽症と思われますが、経過を観察した方が良いかと考えています。」
→ 誰に・いつ・何が起きて・どうなって・どう考えているか、が整理されていて分かりやすいです。
■ 連絡は「必要な人に、タイムリーに」
何かが変わった時、予定がずれた時、医師の指示が入った時などは、すぐに関係者に共有を。
例:
「〇〇医師から、Aさんの点滴変更の指示が入りました。新しいオーダーに従って処置を進めます。」
→ チームで動いていることを常に意識して、自分だけが情報を抱えないことが大事です。
■ 相談は「自分の考え+確認」スタイルで
ただ「どうしたらいいですか?」と聞くのではなく、自分なりの考えを添えて相談しましょう。
例:
「〇〇さんの褥瘡部位が少し赤くなっています。ポジショニングの調整を行いましたが、軟膏の変更を検討した方が良いでしょうか?」
→ 自分で考えている姿勢が伝わり、成長意欲も評価されやすいです。
5. まとめ:ホウレンソウは「あなたを守る」技術
ここまで、新人看護師としての「ホウレンソウ」の重要性とその実践方法をお話ししてきました。
【おさらい】
- 報告・連絡・相談は、単なる義務ではなく、患者さんを守るため、そして自分を守るための技術。
- ミスの予防、信頼関係の構築、チーム連携など多くのメリットがある。
- 「忙しそう」「怖い」と感じても、丁寧に声をかける工夫をすればちゃんと伝わる。
- 実践では「簡潔に・タイムリーに・自分の考えも添えて」がポイント。
新人時代は緊張と不安の連続ですが、ホウレンソウをうまく使いこなせるようになると、業務の見通しが立てやすくなり、自信にもつながっていきます。焦らず、ひとつずつ身につけていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの成長を心から応援しています!
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